フローリングで転けて、娘が後頭部を打った。
これで三度目だった。
一度目は、走っているときにクリアファイルを踏み、つるっと滑ってそのまま後ろに倒れ、後頭部を強打した。あっという間の出来事だった。二度目は小さなボールを、三度目はおもちゃよチェーンを踏んで、おなじように転んだ。すべて、ここ1週間くらいの出来事である。
一度目の転倒から、なるべくフローリングにはものが落ちていない状態にするよう心がけてはいるのだけれど、娘がものをひっぱり出す頻度に、私一人では片付ける作業が追いつかない。
つい「私一人でこれ以上どうすればいいの…」と頭を抱えてしまうのだった。
「よし、フローリングにマットを敷こう。全面」と私は言った。
すると夫が「でも転んで覚えさせるしかないと思う」と言った。
私はおどろいて「まだ覚えるとか、そう言う段階ではないような気がするんだけど」と返した。それ以上、夫からの返答はなかった。
彼の言い分としては、家で走ると転ぶとか、ものを踏まないように片付けるとか、そういうことを失敗しながら学ばせるしかないのではないか、という考えなのだと思う。
けれど、娘の月齢(1歳11ヶ月)を考えると、あえて言葉を繰り返すなら「覚えるとか、そういう段階ではないような気がする」のである。まだ、その学習はできないのではないかと思うのだ。
どうしてこけたか、その因果関係を理解するだけならまだしも、そうならないように注意して行動をとる、ということができるようになるまでに、あと何回後頭部を強打しなければならないのだろうと、想像するとため息が出てしまうのだった。
なんでも経験させて、多少痛い思いをしても、失敗しても、自分で学んでいくことが重要、という教育方針は理解しているし、それには賛同している。けれど… あと何回、あの鈍い音を聞くことになるのだろう。そう考えると気が重かった。防げるのなら、防げたほうがいいと、そう思ってしまう。これは私の弱さなのだろうか。どっしりと構えて見守ることが母としての強さなのだろうか。わからない。
たぶん私は、マットを買ってしまうと思う。

コメント